片恋円舞曲

著:桐夜白

昔々の、そのまた昔…。
民に受け継がれるうたに、こんな話が在る。

遥か大地の上、天空に浮かぶ大陸に一人の麗しき娘が居た。
「月に想いをはせて、会いたくて、恋焦がれる」
彼女が詠んだ詩(うた)は、会いたくても会えぬ想い人を想ってのモノだった。
遠く遥か離れた地へ、いずこへと居(お)わすかもわからぬ行方不明になった愛しい人よ。
アナタに会いたくて、想いが溢れ、恋焦がれ続ける。
娘の涙は心から溢れ、深い悲しみと嘆きとなり、心を蝕みました……──。

しかし、ソコに一筋の光が差し込みます。

ソレは彼──想い人が生きているかもしれない、という可能性が浮上したことです。
小さな一筋の月明りを頼りに、娘は立ち上がり、想い人を探しに行く決意をします。
ソノ先に、幾多の困難と試練が待ち受けていようとも。
ソノ先の、待ち受ける真実に翻弄されようとも。
彼女の心は決して折れませんでした。

ただ、会いたい。
ただ、コノ想いを伝えたい。

「ずっと、アナタが好きでした…──」

ソノ一言だけを、伝えたい。
麗しき娘は、可憐でありながらも凛々しく強いしんを持っていました。

時の風の流れは言います。
幾重幾多の時が流れようとも、歌は決して途絶えない。
風となり、時となり、コエとなり、語りとなり、…受け継がれてゆく──。

「月に想いをはせて、会いたくて、恋焦がれる」
コレは 麗しき娘の恋詩…。
ソノ名を、「片恋円舞曲」。
一人の麗しき娘の恋歌。

アナタにも広げて欲しい フォークロアのページを──。

こちらの作品は片恋円舞曲の番外編になります。本編はこちらから。

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