肥沃の毒

著:おくい 6月であった。暦の上では乾季だが、まだまだ雨が降り続く日々である。アンタガが上を仰ぐと、扇椰子の葉がサラサラと音を立てて揺れるのが見えた。今は抜けるような青い空たが、午後にはスコールに見舞われるのだろう。西の空には群れている雲の姿がある。用事を済ませたら早く帰ろう。縄で体にくくり付けた大きな麻袋を背負い直し、アンタガは歩を進めた。火山の山頂からの噴煙も、今日はなびい...

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