三本角の怪物

著:雪村月路  地中深くの迷宮には、角の三本ある巨大な怪物が棲むと伝えられた。100年ほどの昔、この迷宮を造って怪物を封じ込めることに成功したのは、当地の領主の先祖だったという。以来、代々の領主の怒りに触れたものは、老いも若きも、この迷宮に送り込まれた。また、貧しさゆえに盗みを働いた孤児や、想う相手と駆け落ちしようとして捕らえられた娘など、哀れな罪人もすべて、怪物への生贄とされ...

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朽ちた館にて

著:雪村月路  彼の愛馬は、神馬の血を引いており、疲れを知らず、夜目も利く。  暮れた空には月が明るく、行く道を照らしてくれている。  それで、彼は休む場所を探しながら、道なりに馬を歩ませていた。  しばらく行って、古びた屋敷を見つけた。ひどく荒れ、住人はなさそうだ。  一晩休めるようなら、屋根を借りることにしよう。  彼は、馬を降りて門につなぎ、中に入った。  不思議な花の香...

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創作神話『オオクニヌシとミナモトヌシの国譲り』

著:もぐら  今では遠い昔の話なのだが、我々の祖先はいにしえの昔、この地上を単に現世国うつしよのくにと呼んでいた。  四方を囲む海の外に広がっている異国の存在をまだ知らず、自分たちの住む島々だけがこの世の全てと信じていたからである。  その頃、我らの祖先である『クニビト』は村より大きなまとまりをもっておらず、地上は八百万やおよろずの神が治める国だった。  神は天に輝く星々に、地...

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鮒のぼり

著:ますけったー *本作は架空の県を舞台にした創作民話を基にした一次創作です  1、鮒と鯉と龍  昔、ある川に一匹の鮒(ふな)がいた。その鮒は同じ川にいる鯉に憧れ、仕草や泳ぎ方を真似したが、到底及ばなかった。一方、鯉は龍になりたかった。だから一生懸命滝を昇ろうとしたがうまくいかない。そんな時、気紛れに天から龍が降りてきた。しかし、龍は鯉ではなく、鮒を見初めた。鮒は戸惑い、鯉の努...

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